遺伝性出血性末梢血管拡張症

症状

多くの場合、鼻出血が示され、次いで消化管や口腔における出血も高頻度で認められます。紫色或は赤色の斑状、くも状、扁平、点状からなる毛細血管拡張個所を示し、圧迫すると簡単に色あせます。凡そ十代から二十代で症状を出現させ、加齢に伴って病変部の数やその大きさは増大傾向となります。多くは、口腔粘膜や口唇、顔面、足底、手掌に見られますが、脳や子宮、脾臓、肝臓、肺、消化管粘膜、鼻腔にも出現することがあります。尚、遺伝性出血性末梢血管拡張症(いでんせいしゅっけつせいまっしょうけっかんかくちょうしょう)は、遺伝性出血性毛細血管拡張症やオスラーウェーバーランデュ病、そして単にオスラー病とも呼ばれます。

原因

血管の脆弱化から皮膚下の血管が破れ、これによって出血症状を示します。小血管拡張が皮膚や粘膜に多発し、紫色或は赤色の変色個所が見られ、手足の指先や口唇、顔面、鼻の中などに生じます。時に脳や脊髄、尿路、消化管において出血を見ることもあります。毛細血管或は細小動脈血管壁、それらの周りの組織において形成不全をきたすことによって血管腔が広がります。また細胞間隙が血管内皮細胞において消失することに由来します。先天性出血性疾患であり、常染色体優性遺伝となります。

治療法

抗プラスミン薬及び女性ホルモン薬などが止血に適用されることもあります。通常、対症治療が実施されます。圧迫止血を出血個所に行い、内視鏡的措置は消化管出血に適用されます。鉄剤は持続性の鉄欠乏性貧血に対して投与されます。肺動静脈瘻に対しては手術による切除か血管塞栓術が採用されます。