真性多血症とヘマトクリット

症状

初期段階では倦怠感や頭痛などを出現させます。また特にこれといった症状を示さないケースも多いと言われています。皮膚や粘膜に紅潮が出現し、耳鳴り、眩暈、皮膚掻痒感も生じます。更に眼球粘膜や眼球結膜には充血を認めます。その他、二次性痛風や高血圧、心筋梗塞や脳血栓などを引き起こしやすいと言われています。

原因

赤血球、白血球、血小板の絶対量が増える病気であり、これは多能性及び造血幹細胞の腫瘍性増殖に起因します。真性多血症(しんせいたけつしょう)は女性より男性の発症率が少し高く、中年以降に多く見られます。尚、多血症の内、原因となるのがエリスロポエチンを生成する腫瘍であるケースでは、その腫瘍を摘出します。

治療法

ヘマトクリットを減少させるため瀉血が実施されます。また抗ヒスタミン薬が皮膚の痒みに適用され、尿酸生成阻害薬が高尿酸血症に用いられます。更にヒドロキシウレアが血栓症を引き起こす可能性が高い場合、或は血小板数が多いケースに用いられます。本疾患の場合、血栓症を引き金に死亡するケースが多いと言われています。また経過中に脾腫増大、骨髄における造血作用の低下、骨髄線維症への移行が見られます。尚、ヒドロキシウレアはアルキル化薬に比較すると白血病を引き起こす作用が低いとされます。また本薬剤は代謝拮抗薬となります。早くからヒドロキシウレアを瀉血に組み合わせて用いると良いとされますが、赤血球造血を抑える働きはあまりないとされます。