症状
急激に発症する場合は、赤血球破壊の度合いによって貧血に伴い軽い黄疸が生じることもあります。赤血球破壊が長期間継続すると脾臓の腫れや腹部膨満感を認めることもあります。慢性化したケースでは緩慢に進行するため、特に症状を出現させないこともあります。尚、他の疾患に起因して自己免疫性溶血性貧血を引き起こしているケースではその基礎となる疾患の症状が出現することもあります。
原因
赤血球を異物として免疫が解釈し、これを攻撃する自己抗体が作られてしまう疾患を自己免疫性溶血性貧血(じこめんえきせいようけつせいひんけつ)と言います。女性の方が男性より多く発症し、年齢層も幅広くなっています。赤血球への破壊は緩慢に進展する場合と急激に生じるケースもあります。一定期間を経過後呈することもあれば、持続的に抗体の攻撃が赤血球になされて慢性化するケースもあります。多くは原因不明となりますが、薬物を利用した後に生じたり、他の病気が原因となるケースもあります。またそれらの病気が引き金になって発症することもあります。
治療法
コルチコステロイド薬であるプレドニゾロンなどが利用されます。これによって改善が見られない場合、脾臓摘出が実施されます。また脾臓摘出を行えない場合は、免疫抑制薬であるアザチオプリンやホスファミドが用いられます。以上いずれの方法でも改善が認められない場合、血症交換が実施されます。尚、輸血も実施されることもありますが、こちらは対症療法となります。一過性の治療法であるため、貧血を根本的に治癒するものではありません。