症状
多動性、不注意、衝動性といった特徴を示しますが、いずれもDSM-4の指定する症状です。他には努力することが困難であったり、運動能力が劣る、過敏に反応するなどといった症状も現れることがあります。尚、多動性では常時手足を動作させ、貧乏ゆすりが目立ちます。椅子に座っても落ち着かず、じっとすることがなかなかできません。おしゃべりの傾向があったり、走り回ったりします。読書することが困難で、落ち着いて遊ぶことができません。高いところ上ってしまったり、食事の際にも席から離れる傾向があります。不注意では忘れ物が多く、日課などを怠ける傾向にあります。根気と努力が欠けていて、何事も諦めます。約束や規則の遵守が苦手で、話されていてもほとんど聞いていません。また、集中力も欠損しています。
原因
ドーパミンといった神経伝達物質の影響が指摘されていますが、現段階では詳細に分かっていません。女性より男性に多く見られ、衝動的で不注意、多動といった特徴が出現します。ADHDはDSM-4由来の呼び方ですが、注意欠陥障害とも言われます。またICD-10においては多動性障害と言われていて、根本的にはDSM-4のADHDとほとんど同様です。
治療法
メチルフェニデートと呼ばれる中枢神経刺激薬が昔から用いられています。この薬には、多動性や衝動性を抑制する働きがあり、また注意力が継続する効果があるとされます。即効性があるものの食欲不振や睡眠障害といった副作用が示されることもあります。多くの場合、長期に渡って継続する疾患であるため、周囲の環境への措置も大切になります。