症状
心筋梗塞(しんきんこうそく)では狭心症の発作が頻繁に起こるようになり、次第に悪化するか、突然発作を生じるケースもあります。胸の真ん中辺りに耐え難い痛みを感じます。また、吐き気を催したり、嘔吐、脂汗、冷や汗といった症状も示します。前触れを示すケースと前触れを示さないケースは半々となりますが、中でも以前から狭心症発作が見られた場合で、その頻度が増加傾向にある場合には赤信号となります。
原因
心臓壁の一部が壊死してしまうことが原因で、これは冠状動脈における血流不足が数十分継続することに起因します。急性心筋梗塞は、発症してから数週間のケースを言います。もともと冠状動脈の硬化や炎症が見られ、その部分に血栓が詰まってしまうことが原因で、それより先に血液が流れなくなり、結果として心筋の組織が壊死してしまいます。かつて六十歳以上の男性に多く見られた疾患ですが、近年ではその発症年齢も低下しています。
治療法
発症から数時間ないし数日間が死ぬか生きるかの分かれ目となります。急に発作が見られた狭心症では、血栓溶解薬や抗血小板薬にて、冠状動脈に発生した血栓を溶かす措置を行います。これによって血流が改善されますが、これらの薬物を使わず、カテーテル、ステント、バルーンを用いた方法もあります。CCUでは冠状動脈における血流の再開を主軸とした治療が行われ、心臓ペースメーカーなどが用いられます。心筋梗塞或いは心臓発作(しんぞうほっさ)の予防では、高血圧や糖尿病、肥満などの治療が重要で、日常生活では暴飲暴食を避け、禁煙、禁酒、動物性脂肪の摂取を控えます。