食道アカラシア症

症状

食道アカラジア症(しょくどうあからしあしょう)ではつかえ感や違和感などが胸より上腹部において生じますが、胸痛を訴えることもあります。また通過障害を引き起こす狭窄が見られる場合は嘔吐や体重減少が示されます。女性に多く見られる症状で、中年前後の年齢層に多くなっています。尚、別名では噴門痙攣(ふんもんけいれん)及び特発性食道拡張症とも呼ばれています。

原因

アウエルバッハ神経叢は食道の筋肉層である輪状筋及び縦走筋の間に位置しており、これが病変して下部食道括約筋が正常に作用しなくなる疾患を食道アカラシア症と言います。下部食道において食物の一部が蓄積しこれによって食道が広がります。これは収縮が筋肉緊張によって引き起こされ、食物がスムーズに移動できないことに起因します。

治療法

ニトログリセリンやカルシウム拮抗薬、抗コリン剤、ボツリヌストキシンといった薬物による治療方法によって食道内圧と共に下部食道括約筋収縮も低下させます。また食道を風船で拡張させる方法もあり、ブジーが用いられます。食道癌は食道アカラシア症を患ってから10年目以降に見られるケースもあり、これは食道に食べた物が滞ってしまう傾向があるためで、それによって食物中に含有される発癌物質が食道壁に長時間付着することが原因と考えられています。そのため、内視鏡検査を定期的に行い早期発見及び早期治療が重要となってきます。