消化管カルチノイド

症状

水気のある下痢及び腹鳴などはセロトニンに起因して腸における蠕動運動が向上することによります。またカルチノイド症候群と呼ばれている心内膜線維症および心臓弁膜症、そして喘息発作などを出現させます。更に毛細血管拡張、皮膚紅潮など血管運動神経発作に起因する症状も呈します。活性物質が生成された際、肝臓へ門脈を経由して流れ込むため、消化管カルチノイド(しょうかかんかるちのいど)においてカルチノイド症候群を示すことはほとんどないと言われています。加えてカルチノイド自体が増えて大きくなると出血、或いは腸閉塞を惹起します。

原因

本症は腫瘍であり、良性腫瘍と悪性腫瘍の真ん中に位置します。形状は小型核を持ち、卵円形から円形をした細胞で構成されており、索状、網目状、胞巣状など特徴的な配列をなしています。尚、高ガストリン血症は内分泌細胞の増殖を胃粘膜固有腺底部において促進させるため、これによって内分泌細胞微小胞巣が腫瘍に病変し胃カルチノイドを生じます。また粘膜下腫瘍として進展し、これは粘膜下層から粘膜筋板の範囲で増えるケースが多いためです。

治療法

カルチノイドが固有筋層下に進行したケースでは手術によって切除する治療方法がとられます。筋層下に浸潤してしまった場合は転移も視野に入ります。ただ、カルチノイドが小さく、その位置が粘膜下層内であれば内視鏡を用いて腫瘍の摘出を行う治療法も考えられます。尚、カルチノイド症候群を示し、且つ転移が見られるために切除術が難しいと判断される時には、薬物療法に移行します。その際、セロトニン生成阻害薬及びセロトニン拮抗薬などが適用されます。転移が見られると見通しも悪くなりますが、通常、腫瘍の進行は緩やかなため、癌腫に比較すると予後も悪いとは言えません。