大腸癌

症状

大腸癌(だいちょうがん)では下痢や便秘の他、出血なども示します。ただ初期において小さい癌では特に症状を示すこともないため、癌検診などで偶然発見されるケースも珍しくないと言われています。血便は早期から確認されることがあり、血液が便粘液に混入していたり、血の塊が排泄されたりします。尚、痔などとの鑑別は必要とされます。

原因

癌の発生そのものの原因はハッキリ分かっていません。ただし、動物性脂肪分の過剰摂取や食物繊維不足などが継続すると大腸癌の発生率が高まると言われています。その他、遺伝に起因する癌体質も原因の一つと考えられています。現段階では遺伝や食事の他、環境なども要因として指摘されていますが、詳細は解明されていません。古くは日本においてあまり見られなかった大腸癌ですが、近年、肺癌、胃癌、肝臓癌に次いで増加傾向にあります。元来、欧米において多く見られた疾患ですが、日本でも食文化の欧米化に伴って増加傾向にあると指摘されています。また男性に多く見られた疾患ですが、最近では女性にも多く見られ、こちらも増加傾向にあります。胃癌に比較すると大腸癌は高齢者に多く見られ、概ね六十歳前後の方に警戒が必要とされています。

治療法

基本は癌そのものの切除による治療方法がとられます。その際、リンパ節など癌以外で腸の一部をまとめて切除します。そして腸同士を吻合します。内視鏡を用いた治療法では、長茎を有するポリープや小さい癌などが適用されます。早期大腸癌はその進行が粘膜に留まっていれば、ほぼ完全と言えるほど完治に至ります。また粘膜下層に進行していても高確率で根治が可能になっています。更に腸壁にて留まっている進行がんであっても治癒する可能性が高いと言われているため、比較的、本症は治癒させやすい癌とされています。