症状
潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)の初期段階では粘血便が見られ、また腹痛や下痢、発熱なども進行と共に示すようになっていきます。一般に発症時はその症状も軽度ですが、一ヶ月ほど経過した後、肉眼で確認できる血便を生じます。またX検査及び内視鏡検査にて診断が行われますが、その際、糜爛性(びらんせい)の炎症が確認できます。更に直腸炎、左側大腸炎、全大腸炎に病変の拡大傾向によって分類されています。
原因
明確な原因は解明されていませんが、大腸粘液内におけるTリンパ球の増殖の機能による異常が原因ではないかと示唆されており、つまり自己免疫疾患に起因するものとも推測されています。また、こういった免疫異常の他、ウイルスや細菌、自律神経障害、摂取する食べ物などもその因果関係の可能性が示唆されています。慢性経過を見る疾患であり、下痢及び粘血便を示す特徴があります。発症年齢層は幅広くなっていますが、若年層に多く見られます。
治療法
手術は管理できない中毒性巨大結腸や穿孔、大量出血が認められるケースにおいて適用されます。場合によっては人工的に作られた排泄口を用いられることもあり、これは病変となりうる大腸粘膜の全部を切除してしまうからです。ただ5-ASA、サラゾピリン、ステロイド薬といった薬物による治療方法が一般的です。症状の程度によっては白血球除去療法や免疫抑制薬を用いた治療法が実施されます。尚、改善が見られたら特に食事制限はありませんが、刺激を腸管へ及ぼすカフェインや香辛料、アルコールなどには注意を払ったほうが良いとされています。