肥厚性幽門狭窄症

症状

肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)は食事をしてから嘔吐が多発する傾向にありますが、急性に惹起するケースや次第に出現する場合もあります。また、食欲不振やそれに伴う体重減少、腹部膨満感などを訴えることもあります。本症は肥厚が幽門や幽門前庭部の筋層に見られるもので、これに起因して内腔が狭まり、十二指腸へ胃の内容物がうまく移動しなくなる病気です。小児に多く見られる疾患ですが、大人にも認められます。発症頻度は低く、あまり見られない疾患となっています。

原因

過形成及び肥厚が輪状筋に生じることが原因となります。また幽門部筋層においても見られます。筋線維は色んな方角を向いており、不規則が輪状筋の筋束において認められます。ハッキリとした成因は解明されていませんが、神経障害や幽門部における痙攣、そして先天性肥厚性幽門狭窄症の継続などが関係していると指摘されています。一般には先天性肥厚性幽門狭窄症の継続によるものと考えられています。

治療法

幽門側胃切除術による治療法方が採用されます。これは肥厚性幽門狭窄症の手術による治療法を行う以前に悪性疾患を取り除けないことに由来します。その他、内視鏡的拡張術が実施されることもあります。診断は胃内視鏡検査や上部消化管造影検査にて行われます。