症状
大腸憩室症(だいちょうけいしつしょう)では特にこれといった症状を示すことはないため、一般には無症状と言われています。異常を示す場合は、腹部不快感或いは膨満感、便通障害などで、これは腸管における運動障害に起因します。その他、憩室炎と呼ばれる炎症が生じると、激しい腹痛を訴え、時に下血を生じることもあります。尚、本症は加齢に伴って発症率も高まりますが、大腸検査などでたまたま見つかるケースが多いと言われています。
原因
年齢と共に腸壁が脆くなること、食物繊維の摂取量が少ないことが原因と言われています。大腸憩室症は腸管内において圧力が高まった際、その内圧によって腸内の一番脆い箇所に袋状の憩室を発生させた病態となります。尚、本症は大腸の外部に向かって突出する特徴があり、単発或いは多発する形態となります。一方、大腸ポリープは大腸の内部に向かって飛び出してしまう形態を指します。
治療法
手術適応は腸に孔が生じて炎症を引き起こし、それによって腹膜炎などを惹起しているケースとなります。こういった場合は、緊急に手術を行う治療法になります。普通は主に内科的治療方法を実施し、抗生物質の投与のほか、輸液や安静、絶食を心掛けます。多くは数週間程度で改善が見られ、再発するケースも少ないと言われています。その他、腸が狭窄して便通悪化が見られた際は手術を行いますが、これは腸内における炎症に起因して腸が細くなってしまうことが原因となります。