出血性大腸炎

症状

出血性大腸炎(しゅっけつせいだいちょうえん)では急激に水分の多い下痢と、腹部における痙攣性の痛みを生じます。下痢の症状は一週間程度継続し、血液が便に混入されます。多くのケースで熱の上昇は見られませんが、四十度近くの高熱を生じることもあります。合併症では溶血性尿道症症候群と呼ばれるものがありますが、特にお年寄りや小児に多く見られる疾患です。こちらは赤血球損壊、血小板減少、急性腎不全などの症状を示しますが、眩暈や疲労感といった症状も赤血球が壊れることで引き起こされます。

原因

特定の大腸菌感染が原因であり、これによって血便を生じます。また重度の合併症も引き起こします。発症年齢層は広くなっていますが、お年寄りや小児に多く見られます。本症は大腸菌が作り出す毒素が起因して出血性の下痢を引き起こしますが、これはその毒素によって大腸粘膜が異常をきたすためです。また血液を介して腎臓など他の臓器にも異常をもたらします。更に感染性であるため、人間から人間にうつります。

治療法

ケースによっては多くの水分を消失してしまうため、基本は不足なく水分を摂取する治療方法となります。また食生活においても特に刺激性を有しない食事を心掛けます。合併症では腎透析による治療法が行われることもありますが、抗生物質などの適用はありません。これは溶血性尿道症症候群を引き起こす危険性が上昇するためです。尚、血便は他の病気が原因で生じていることもあるため、大腸内視鏡検査などにて鑑別する必要性があります。大腸菌の存在とその種類が確定すれば、適切な措置がとられることになります。