四塩化炭素中毒

症状

チアノーゼや呼吸困難、気道分泌物の増加といった呼吸器症状、皮膚炎など皮膚症状、血圧低下や心室性不整脈、心不全といった循環器症状、そして痙攣や運動失調、脱力感、意識障害、昏睡といった中枢神経系の症状を呈します。吸入量が多いと、即座に昏睡を生じ、延いては呼吸麻痺を引き起こし、死に至ります。また慢性化すると、高度の肝障害を呈します。

原因

ホスゲンを強酸と混じることで発生させます。テトラクロロメタンと呼ばれ、脂肪族ハロゲン化合物となります。特有の臭いを有する液体であり、可燃物の抑制剤として消化剤や殺虫剤などに利用されています。また、さまざまな洗浄過程で、四塩化炭素中毒(しえんかたんそちゅうどく)を招きます。生体内への侵入経路は、皮膚へは液体から、呼吸器へは蒸気からとなります。循環器や呼吸器の働きを抑えますが、中枢神経系の働きを高度に抑えることから麻酔作用を生じます。一度、急性に晒されることで腎障害及び肝臓障害を招きますが、繰り返されることで更に障害は著明になります。

治療法

意識喪失を見る急性のケースでは、空気の汚染されていない場所へ移動させます。続いて人工呼吸や酸素吸入が実施されます。慢性化したケースでは、腎臓及び肝臓障害の治療を行います。尚、検査ではBUN、ALT、ASTの高値が見られ、本剤に晒された基準は、呼気中のCCl4測定によります。