症状
中耳腔へ浸出液が蓄積しますが、これは中耳血管からにじみ出るものです。このため、閉塞感が両耳において生じ、軽度の難聴を招きます。しかし、痛みは感じられなく、耳だれも認められません。話している最中に聞き返したり、音楽などの音量をあげたりする行動が特徴です。滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)は子供に多く見られる疾患であり、ほとんどは三歳ぐらいに発症します。大抵、急性中耳炎に続発し、左右の耳において発生します。再発傾向があり、軽度の難聴を随伴しますが、痛みはありません。
原因
持続的な炎症が鼻咽腔(びいんくう)に生じると、機能低下から詰まります。これは耳管に炎症を招くためです。また、耳管が咽頭扁桃、つまりアデノイドの腫大で閉塞されることが原因となります。尚、耳管は中耳と鼻をつなげている部分です。
治療法
アデノイドが極端に肥大しているケースでは全身麻酔によって切除することがあります。難聴に対しては中耳腔に蓄積した滲出液を取り除くため、鼓膜切開を行います。また、マクロライド系抗生物質や抗ヒスタミン薬、抗炎症薬などが耳管機能回復の目的で用いられます。