蓄膿症

症状

嗅覚障害、後鼻漏、鼻漏、鼻閉といった色々な症状を訴えます。近年、合併症としてアレルギー性鼻炎や気管支喘息などが見られ、治りにくくなっています。ただ、衛生環境がよくなった事や新しい抗生物質の開発などの理由により、高度な慢性副腔炎はあまり見られません。発症した場合、軽症若しくは中等度の症状がほとんどであり、多くは難治性となります。

原因

慢性化且つ遷延化した副鼻腔炎が原因です。これを蓄膿症(ちくのうしょう)と言いますが、近年ではこの蓄膿症のことを慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)と呼ばれることが多くなっています。

治療法

手術では鼻腔及び副鼻腔の断絶した通路を再開させる方法が取られます。これには内視鏡が使われるため、鼻の内部のみの操作となります。また全身麻酔下で実施されるため痛みを感じることはなく、これを機能的内視鏡下鼻内副鼻腔手術といいます。しかし、手術イコール完治とはならないため、当面鼻内部のカスの蓄積や粘膜腫脹などを呈します。このため、一定期間ごとに通院を要し、ケースによっては抗生物質を要することもあります。尚、本疾患では基本的に保存的治療が行われます。これには粘液溶解薬や抗生物質が用いられ、更にはネプライザーや鼻処置なども行われます。抗生物質ではマクロライド系が用いられ、鼻漏量を低下させ、殺菌作用があります。また炎症を悪化させてしまう物質の生成を抑制する働きや、綿毛運動を高め分泌物の排泄を促進させる作用などもあります。