症状
刺傷によるものは小児に多く見られ、数時間で熱の上昇や悪寒が認められます。また随伴する肝腫、脾腫、所属リンパ節腫脹、水泡形成などが特徴となり、死に至った症例も存在しています。吸入によるものでは気管支喘息や咽頭浮腫などが見られます。また皮膚炎を生じることもあり、こちらは毒蛾のケースとなります。
原因
皮膚における刺傷に起因する経皮性アレルギーと昆虫の微小成分が吸い込まれて発生する吸入性アレルギーに分類されます。前者は蚊や毒蛾、蜂などが原因であり、後者はゴキブリやガ、トビケラ、蝶、ユスリカなどが原因となります。特異性のIgE抗体を間におくⅠ型アレルギーが主軸に関係する疾患が吸入性昆虫アレルギーとなります。一方、Ⅰ型、Ⅲ型、Ⅵ型が関係するのは経皮性昆虫アレルギーとなります。
治療法
ステロイドを含有する軟膏や抗ヒスタミン薬が皮膚症状に用いられます。これは蚊アレルギーや毒蛾アレルギーに対処するものであり、それぞれ塗布と内服によって治療することになります。更に全身症状を蚊の刺傷によって出現させることがあり、ケースによっては死に至る例も見られます。このため見通しも悪く、過敏例ではステロイドを即座に、刺傷を受けた後に内服させることもあります。一般的には、通常のアレルギー性鼻炎や気管支喘息などで使われる薬剤が吸入性昆虫アレルギーに適用されます。またアレルゲンが特定できた場合、それを取り除くことが重要となります。