線維筋痛症候群

症状

慢性化した全身痛、特に頸部及び腰部を主軸として生じます。継続期間は三ヶ月以上に達するケースも見られ、いずれも自覚症状として非常に多くなっています。また朝のこわばりや頭痛、全身倦怠感、睡眠障害などを出現させることもあります。検査では画像、筋生検、放電図、血液などいずれも正常を示します。ただし圧痛に関しては疼痛計を用います。

原因

リウマチ性疾患であり、セロトニンの代謝異常や自己免疫異常、睡眠障害、そして視床下部から下垂体、副腎皮質系における機能不全などさまざまな指摘がなされていますが、線維筋痛症候群(せんいきんつうしょうこうぐん)発症のハッキリとした原因は解明されていません。特異な圧痛点と共に疼痛を生じ、特に中年以降の女性に見られる疾患です。診断は三ヶ月以上広い範囲に及ぶ疼痛が見られる事、十一箇所以上の圧痛が十八箇所の所定の圧痛点から認められる事が基準となります。尚、圧痛点は下部頸椎、棘上筋、外側上顎、大転子、後頭部、僧帽筋、第二肋骨、殿部、膝左右二箇所となります。

治療法

副腎皮質ステロイド薬に効果が認められないため、三環系抗鬱薬が用いられることがあります。ただし有効率は三割程度以下と低くなっています。特別な治療方法は存在していませんが、認知行動療法などが取り入れられることもあります。尚、シェーグレン症候群、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスとの識別を要します。