症状
乳腺肥大から痛みを生じ、片方において見られる場合もありますが、大抵は両方において生じます。特に老齢者では発症率も上昇します。本疾患は乳腺肥大から乳房の肥大化を示す病態を指していて、肥満による脂肪蓄積は除外されます。
原因
女性ホルモンの比率が男性ホルモンのそれより高くなってしまうことが原因と言われています。これには幾つかの要因が知られています。胎盤性ゴナドトロピンの増加から女性化乳房(じょせいかにゅうぼう)を示すケースがあり、これは副腎腫瘍などによって引き起こされます。薬剤に起因する場合もあり、一部の抗潰瘍薬、抗精神病薬、性腺ステロイド薬、血圧降下薬などが該当します。病気に由来するものでは、下垂体プロラクチン産生腫瘍、甲状腺機能亢進症、クラインフェルター症候群、肝硬変、甲状腺機能低下症、腎不全などが該当します。また、一時的に思春期や新生時期において発症するケースも見られます。尚、本疾患はエストロゲン(女性ホルモン)の比率が上昇することで引き起こされるものであり、このホルモンはアロマターゼ酵素を介してテストステロン(男性ホルモン)からも作られます。老齢者では加齢に伴うテストステロンの分泌量低下と、アロマターゼ活性化の上昇が原因と考えられています。思春期ではテストステロンからエストロゲンを生成してしまうことが原因と言われています。
治療法
エストロゲンの働きを抑える薬が投与されます。これは痛みが強い場合などに適用される治療方法であり、本疾患を引き起こした原因多生理的要因であれば特に治療は行いません。エストロゲンの抑制薬で改善が見られない場合、手術によって乳腺組織を切除することもあります。尚、基礎疾患があれば、それを治療します。