下垂体性巨人症/先端巨大症

症状

体重増加、発汗亢進、四肢肥大を特徴とし、体全域に増殖肥大が骨、軟骨、結合組織に見られます。椎骨肥大では腰部における前彎、胸部における後彎が著明になります。更に口唇や舌、鼻部において肥大が生じ咬合不全、下顎突出、眼窩上縁突出なども認められます。また腫瘍に起因する圧迫症状や別のホルモン異常から引き起こされる症状なども加わります。前者では視力及び視野に支障をきたし、嘔吐や頭痛といったものを出現させ、後者ではプロラクチン分泌亢進から無月経、漏出などを示しますその他、高血圧や心筋障害、内臓肥大などを示すケース、そして知覚や運動の正中神経障害を生じることもあり、これは手関節部における軟部組織圧迫に由来します。

原因

骨端閉鎖前と閉鎖後においてホルモンの過剰分泌を生じることが原因であり、前者が下垂体性巨人症(かすいたいせいきょじんしょう)と呼ばれ、後者が先端巨大症(せんたんきょだいしょう)と言われます。また過剰なホルモン分泌が骨端閉鎖前後にかけて生じるケースもあります。

治療法

なるべく早く見つけて下垂体線腫の摘除を行います。その他、薬物療法や放射線照射などがあり、前者ではソマトスタチン誘導体オクレオチドの注射が役立つとされており、経口投与薬ではドパミン作動薬ブロモクリプチンなども使われます。いずれの薬剤も下垂体腺腫の摘除と組み合わせて用いることが推奨されており、長期観察の症例では放射線照射にも有効性が見られます。