アレルギー性紫斑病

症状

紫斑をはじめ、腹膜からの影響で腹痛を生じ、発熱や関節痛が見られます。また腎臓症状である浮腫や血尿が肉眼的所見で観察されます。発症年齢は幅広くなっているものの女性より男性に、そして若年層に多く見られます。更に先立って上気道感染症状が出現するケースが大半であり、冬季に多く見られます。発症は急性であり、皮膚の初発症状は上肢や下肢、殿部において蕁麻疹や丘疹が見られ、これが突如として紫斑へ移行していきます。

原因

免疫複合体を間におくアレルギー反応に起因する血管障害と言われているため、アナフィラキシー様紫斑病又はアレルギー性紫斑病(あれるぎーせいしはんびょう)と言われます。本疾患は感染症に続いて発症する急性壊死性の血管炎です。別名ではシェーンラインヘノッホ紫斑病とも呼ばれ、血管性紫斑、腎臓、関節、胃腸を合併する症候群としてシェーンラインとヘノッホによって記録されました。免疫複合体は血管壁において沈着し、これが好中球遊走を招きます。このため、血液透過性が高まり、皮膚に紫斑を発生させます。また関節炎は免疫複合体に起因して生じ、蛋白尿及び血尿といった腎臓症状を出現させます。更に腹膜炎に起因する下血や腹痛など消化管症状を発生させます。尚、予防接種や刺虫症、食物アレルギーが原因との報告例も存在しています。

治療法

免疫抑制薬や副腎皮質ホルモン薬などは腎症状が高度であったり全身症状が強度に出現した際に適用されます。また腹部の症状が見られれば、絶食及び補液が実施されます。基本的には対症療法となります。多くは数ヶ月で自然軽快を示しますが、中には慢性化に移行したり、再発するケースがあります。発症年齢が上に行くほど重症化する嫌いがあり、一割弱の患者は進行性腎炎に進展することもあります。