症状
綿肺症(めんはいしょう)では胸部圧迫感や咳、喘鳴などが主な症状となります。ただし、綿から放出される原因物質に曝露されることで出現した症状が軽快する傾向にあります。このため、綿を扱う職業に従事している際は、胸部圧迫感や咳、喘鳴といった症状も消失します。症状が出現するのは、従事していた職業を離れた休日明けに多いと言われています。喘息では症状を引き起こすアレルゲンから離れると症状が消失し、近づくと出現すると言う特徴があります。本疾患では原因物質からしばらく離れた後に近づくと症状を出現させ、そのまましばらく原因物質に曝露されることで症状も軽快するという特徴があります。しかし、綿に含有される原因物質に長期間曝露されることで、症状も次第に継続するようになり、その発症間隔も短くなってきます。
原因
綿を扱う職業に従事する方に見られる疾患であり、これによって気道狭窄を引き起こすことが原因となります。処理する以前の綿に含有される物質が直接的な原因と考えられており、気道狭窄はこれによって招かれると言われています。また綿以外で、麻や亜麻に含有される物質にも同様の悪影響があるものとされており、同一の疾患を生じると考えられています。このため、麻や亜麻に関わる職業に従事する方にも同じことが言えます。
治療法
気管支拡張薬をはじめ、喘息で用いられる治療薬が適用されます。しかし綿粉塵に曝露されないようにすることが重要であり、顕著な肺機能低下が見られた際はその仕事を変えるべきと言われています。