表皮嚢腫

症状

ドーム状の隆起を呈する皮下腫瘍であり、その大きさは通常数センチですが、中には十センチに及ぶものも見られます。周りの組織に対して腫瘤側面と下床は可動します。腰、殿部、体幹の上部、頭頸部などに多く見られ、大半は有毛部に見られます。弾性硬で、真ん中に開口部を持ち、黒点状になっています。被覆表皮と密着性を有し、色調は淡青色ないし常色となっています。内部には白色粥状物質が含まれており、切開して圧力を加えると、腐臭を随伴させながら排出されます。嚢腫壁が破壊されたり、二次感染を招くと、圧痛、腫脹、発赤といった症状を呈します。これといった自覚症状はありません。嚢腫は有棘層、顆粒層、基底層を持ち、異常の認められない表皮と同様の構造を形成しています。層状となる角質塊を角質に該当する個所に見られます。嚢腫壁は度々破壊されてしまう傾向にあり、そのため真皮内に角質物質が移動します。結果として異物反応が生じ、多核巨細胞を随伴させる異物肉芽腫が沢山発生します。尚、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)は粉瘤(ふんりゅう)とも呼ばれています。

原因

真皮内に上皮成分が入り込み、これが増殖して嚢腫を発生させます。中には角質物質を含んでおり、上皮成分は表皮や毛包漏斗部に起因するものとなります。少ないケースで、感染や外傷などの影響が指摘されており、手掌及び足底などで見られます。

治療法

外科的に摘出する治療方法がとられます。これには嚢腫壁も該当します。