症状
初期段階では淡紅色を呈する萎縮性線状であり、多くは平行して走行します。陥凹がやや見られ、次第に灰白色になっていきます。長い方の線状は、多くが皮膚伸展方向に対して直角に走行します。膝窩、腰部、殿部、大腿といった個所に多く見られます。思春期線条は、乳房、背部、大腿の外側に見られます。また、妊娠半年ぐらいから出産後に渡って見られる妊娠線条は大半の妊婦に見られます。特に股部や乳房、腹部などに出現します。尚、本疾患は皮膚伸展線条(ひふしんてんせんじょう)とも呼ばれています。
原因
健康な人でも思春期や肥満、妊娠をきっかけに線状皮膚萎縮症(せんじょうひふいしゅくしょう)を出現させることがあり、グルココルチコイドが増えることに由来します。また、糖尿病やクッシング症候群、ステロイドの内服、重症感染症などがグルココルチコイドを増やすと言われています。この物質は、線維芽細胞活性、つまりコラーゲン生成を抑える働きがあるため、結合組織を少なくしてしまいます。その結果、創傷の治癒に支障が発生して、外部から力が加わった際、或は皮膚の過剰な伸びなどに起因して結合組織が壊れやすくなり、萎縮や線条を皮膚に発生させるものと言われています。
治療法
非可逆性のため、消えることはありませんが、時間の経過と共に目立たなくなり、軽快していきます。そのため、特に治療は行いません。