症状
筋肉が増加したり、声が低くなったりします。多毛症が見られる一方で頭髪が抜けて禿げたりもします。性衝動が強まったり、ニキビを見ることもあります。女性に発症した場合はこれらに加えて、子宮の萎縮、月経異常、乳房の縮小なども見られます。
原因
副腎過形成やホルモン産生腫瘍などが原因となります。本疾患は男性の性質を出現させる病態であり、テストステロンなどのアンドロゲンが副腎において過剰に生成されるために引き起こされます。またこのアンドロゲンを副腎を除く他の場所に発生した癌が作り出すこともあります。普通は女性に現れる症状ですが、男性の運動選手で多量のアンドロゲンを使用した際にも男性化(だんせいか)が起こることもあります。その他、蛋白質の異常が副腎内において生じた際も出現します。尚、診断では血中のアンドロゲン値が判断材料となります。この値が高値を示すケースではデキサメタゾン抑制試験が実施されます。その結果、副腎過形成に起因するものでは副腎におけるアンドロゲン生成をデキサメタゾンが抑えます。反対に癌及び腺腫から本疾患を招いているケースではアンドロゲンの生成はほとんど抑えられません。
治療法
ステロイド薬は副腎過形成に対して適用されます。これにはデキサメタゾンといったものが該当します。一方、副腎に発生した腫瘍は、これを手術によって切除します。尚、卵巣嚢胞の肥大から男性化を招くケースではテストステロンの作用を遮る薬などが適用されます。ただし、症状の軽いものでは、特に治療を要しないこともあります。