筋強直性ジストロフィー

症状

筋強直性ジストロフィー(きんきょうちょくせいじすとろふぃー)では強直と萎縮が手足及び顔、首において生じます。若者層に多く見られ、ミオトニーから突っ張ってうまく走れませんが、繰り返し動作することで一過性の緩和が見られます。その他、声のかすれや白内障、ハゲが前頭部より額に渡って見られたり、月経異常、子宮筋腫、耳下腺腫瘍、頭蓋骨肥厚、呼吸異常、不整脈、筋力低下、トルコ鞍狭小化、前頭洞拡大、甲状腺腫、高位硬口蓋、そして知能低下及び精神発達の遅れなども併発することがあります。女性では髪が額から薄くなっていく傾向にあり、それと共に眉も薄くなっていきます。

原因

第十九染色体に異常があり、これによって酵素であるミオトニンプロテインキナーゼを生成できないことが原因となります。本症は常染色体優性遺伝となります。このため、子供に遺伝して発症する確率も高くなっています。筋強直はミオトニー或いはミオトニアと呼ばれる現象であり、一度筋肉が収縮したら、それが持続され、再度緊張を解すのに時間を要する症状です。本症は男性に多くみられる疾患となります。次第に筋細胞において壊死を引き起こし、痩せていく筋ジストロフィーの一つとなります。尚、筋強直症である先天性ミオトニー(トムゼン病)では筋萎縮及び筋低下を示さず良性となります。

治療法

リハビリテーションが重要とされており、これは慢性化して進行するためです。薬物療法では抗痙攣薬が筋肉強直に適用されますが、萎縮に対する有効な治療方法は存在していません。多くは肺炎や心不全などを併発して中年以降で死に至る傾向にあります。