狂犬病

症状

通常、噛まれた当初は症状を示しません。出現するのは脳及び脊髄にウイルスが達した時であり、ケースによっては一年以上かかる時もあります。また脳に近接した部位を噛まれるほど、症状が現れるのも速くなります。症状が示されると初期段階では全身の倦怠感や発熱、うつ状態といったものになります。中には初発症状で下肢麻痺を訴えるケースもあります。更に痙攣が声帯或は喉の筋肉において生じるため激痛を訴えます。最終的には拡大した麻痺や痙攣発作、気道の閉塞などに起因して昏睡から死に至ります。尚、ウイルスはまず脊髄へ神経を辿って進み、そして脳へ達します。脳に達したウイルスは他の神経を辿って唾液に達します。このため、狂犬病の動物に噛まれるとウイルスに感染することになります。

原因

動物を介して感染する疾患であり、炎症を脳及び脊髄において生じます。噛まれた場所によってウイルスが脳へ辿りつく時間は異なりますが、脳に達すると死亡します。通常一ヶ月程度の猶予がありますので、その間にウイルスを死滅させる必要があります。狂犬病ウイルスは様々な動物に存在しているしていますが、人間はもとより動物も感染すると死に至ります。通常は、ウイルス感染している動物が他の動物に噛みつくことで広がります。しかし、呼吸によってウイルスに感染することや動物に舐められた際に感染することもあると言われています。

治療法

動物に噛まれないようにするのが最も重要なことですが、噛まれた際は、狂犬病(きょうけんびょう)免疫グロブリン注射をした後、狂犬病ワクチン接種が行われます。前者には抗体が含有されているため、ウイルスに対して即時有効であり、後者は自身の体内で抗体生成を促進させるものです。予防では狂犬病ワクチンの接種で免疫力を向上させることが重要です。