バンチ症候群/特発性門脈圧亢進症

症状

初期段階では全身倦怠感を緩慢に示し、動悸や貧血などを呈します。また腹部の張りや左上腹部痛、下血、吐血などを見ることもあります。軽度の腫れが肝臓に見られ、また脾臓も緩やかに腫れてきます。次第に腹水、黄疸、出血傾向を出現させ、死に至るケースもあります。合併症では食道静脈瘤を大半のケースで見られます。尚、脾機能亢進症から貧血は引き起こされます。

原因

活性化T細胞増加、接着分子、自己抗体陽性率などが指摘されていますが、詳細には解明されていません。かつては単独疾患と考えられていましたが、現在では様々な原因と共に類似の症状を示すことから症候群とされています。バンチ症候群(ばんちしょうこうぐん)は血液疾患や肝硬変、肝静脈閉塞、先天性肝線維症、肉芽腫性肝疾患など確認出来ない原因に基づく疾患であり、門脈圧亢進と共に貧血や脾腫などを出現させます。男性より女性に多く見られる病気であり、発症年齢層は中年以降となっています。尚、バンチ症候群は特発性門脈圧亢進症(とくはつせいもんみゃくあつこうしんしょう)とも呼ばれます。

治療法

貧血は肝機能障害が重度に達する以前に脾臓を摘出することで改善が見られます。遅れると、その改善効果は低下します。合併した食道静脈瘤には凝固薬注入術、内視鏡下静脈瘤結紮術などが適用されます。また利尿薬は腹水に対して使われます。