消化酵素の一つであり、膵臓及び唾液腺から分泌されていますが、両者には異なる性質があることから、その区別が可能です。血清アミラーゼはジアスターゼとも呼ばれており、糖類であるデンプンなどを分解しています。上記の他、肝臓、腎臓、心筋、脂肪組織、肺、甲状腺、小腸、黄紋筋などにも含有されています。膵臓は検査が困難な臓器である一方、生体では大切な役割を担っている組織でもあります。ただ、膵臓に何らかの問題が発生すると、アミラーゼ(AMY)が血中及び尿中に含まれて出てきます。血清アミラーゼの検査は、その濃度と尿に排泄されるアミラーゼの量が調べられます。
測定法には酵素法、ブルースターチ法、キャラウェイ法、ウォルゲムース法があるため、基準値もそれぞれ異なってきます。太った人より痩せた人の方が若干高めですが、男性と女性とでは差がありません。また運動による影響も出ません。一方、膵型アミラーゼは、多量のステロイド剤や膵臓刺激ホルモンを利用することで高値を示します。更に高アミラーゼ血症は多量のアルコール摂取を長期間続けた際に見られますが、この場合膵型だけでなく唾液腺型のアミラーゼも高値を示します。異常値が出た場合、低値では糖尿病や肝硬変、膵臓癌末期、中毒性肝炎、ウイルス性肝炎などが考えられます。高値では急性及び慢性膵炎、腸閉塞、唾液腺閉塞、急性虫垂炎、急性胆嚢炎、腎不全、膵のう胞、腹膜炎、化膿性耳下腺炎などが疑われます。尚、急性膵炎では数値の上昇が激しいですが、慢性膵炎では症状が重くなっても血清アミラーゼの高値が示されないことがあります。この場合、尿内に含有されるアミラーゼから判定します。
異常と判定された場合、原因疾患の治療が行われます。また、より正確に情報を得るため、何回か検査を行う必要があります。