アレルギー反応

抗原は外界から侵入した異物のことを言い、これに応戦するために人間の体で作られるものが抗体です。これは人間の体が持つ防御システムであり、一旦抗体が生成されると、それ以後、抗原(アレルゲン)が体内に入り込んでも抗原抗体反応を起こして、抗体が抵抗を示します。こういったメカニズムを持っている人間ですが、時には抗原に対して異常に抗体が反応したり、必要性が認められないのに抗体が生成されたりします。いわゆるアレルギー反応と言われているものはこのことであり、体全域においてあらゆる症状を引き起こします。これにはショックや発熱、発疹などが該当します。検査方法ではIgE、血液像、皮膚反応などがあり、これらのアレルギー反応検査は、抗原を調べたり、アレルギー反応の異常による疾患かどうかを判定するためのものです。

IgEは免疫グロブリンEのことで、この検査は放射性同位元素を使って血清内にこの物質を認めるかどうかを調べるものです。IgEの上昇が認められれば、異常となります。血液像検査は白血球の中にある好酸球の比率を確認する検査です。好酸球の分画はアレルギー性疾患を生じると増えるためです。異常とされる数値は、この白血球が5パーセント以上存在したケースで、その場合、再度検査を行います。皮膚反応検査は、皮内反応と貼付試験があります。前者は希釈した抗原を肌の中に注射するもので、後者はテープを用いて抗原を肌に塗布して固定するものです。いずれの場合も、痒みや水泡、充血、紅斑といった症状を認めると陽性になります。

異常と判定された場合、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、薬剤性アレルギー、アレルギー性鼻炎などが疑われます。