白血球数

食作用(しょくさよう)を持っており、赤血球数より非常に少ないのが白血球です。この血球は人間の体の中に異物や細菌が入り込むと、骨髄造血幹細胞(こつずいぞうけつかんさいぼう)にて活発に生成され、自身に吸収して消化分解してしまう働きを持っています。これを食作用と言いますが、無毒化するという重要な働きを担っています。そのため白血球数(はっけっきゅうすう)が増加するということは、体内において炎症を招いていたり、感染を引き起こしていることになるため、白血球数(WBC)を調べることは疾患の存在を診断するのに役立ちます。

基準値は生理的変動を生じやすい傾向から、通常一mm3あたり4000から9000個と範囲も広くなっています。また、喫煙者と非喫煙者でも異なり、運動やストレス、時間帯、入浴後などは数値も高くなります。そのため、多少の逸脱は特に問題にはなりません。年齢別で見ると、六歳から十四歳の間では6000から1万程度が基準であり、五歳以下では6000から1万1千ぐらいが基準値とされます。

異常値は高値と低値のどちらでも存在します。低値では脾臓機能亢進症や薬剤障害、再生不良性貧血、悪性貧血などが疑われます。高値では細菌感染症や腎不全、膠原病、白血病、肝不全、敗血症、膠原病などが疑われます。一般に、増加するケースの多くは細菌感染症である胆嚢炎や扁桃炎、胃腸炎、肺炎などとなりますが、骨髄が異常増殖を示す白血病といった癌が原因になることもあります。これに対し減少するケースでは脾臓の機能亢進から白血球が異常に破壊されたり、再生不良性貧血など骨髄の機能低下によるものなどが考えられます。

異常値が示された場合、再検査が行われます。その結果、自覚症状が認められず、数値も基準とされる範囲内で、別の検査を行っても特に異常が見られなければ、問題はないと考えられます。ただし、再検査でも異常値が示された場合、早急に原因を突き止める必要があります。