エネルギーとして利用されているのがグルコースであり、生命活動を維持するのに重要な物質です。このグルコースは血中に存在するブドウ糖のことであり、通常、血液内では一定濃度を維持しています。この範囲を超えると膵臓からホルモンであるインスリンが分泌されて、血糖値が下がるようになっています。血糖(けっとう)はBSのことで当該検査は糖尿病を発見するのに有用です。
血糖はホルモンであるインスリンなどによって一定濃度から逸脱しないように調節されていますが、インスリンの分泌量が少なくなると血糖処理がうまく行われなくなります。こうなると血中に過剰なブドウ糖が流れることになって、血糖値が上昇します。一方、インスリンが過剰になると低血糖を招きます。いずれの場合も基準値からはみ出ると体に障害を招く原因となります。この基準値ですが通常、70から130mg/dlの間で変化します。個人差もありますが、食前と食後でも異なります。また、年齢と共に血糖値が上昇する傾向にあり、運動などによっても変化します。一方、妊娠すると血糖値が低くなります。
異常とされるのは食後血糖が200mg/dl以上、空腹時で126mg/dl以上となります。通常高血糖を示す場合、一・二型糖尿病が考えられますが、他にも薬剤由来のものやクッシング症候群、ストレス、甲状腺機能亢進症、妊娠、グルカゴノーマ、肥満、末端肥大症、肝硬変、褐色細胞腫、肝炎、原発性アルドステロン症、膵炎なども疑われます。一方、低値を示すケースでは薬剤由来のものの他、下垂体機能低下症、糖原病、ガラクトース血症、インスリノーマなどが考えられます。尚、糖尿病と診断された場合、食事療法と運動療法が基本となります。これで改善が見られない場合、糖尿病薬やインスリンの適応となります。その他、合併症の存在を確認するため、神経や尿蛋白検査、眼底検査なども併せて実施されます。