CEA/癌胎児性蛋白抗原

蛋白質の仲間であり、通常胎児の消化器細胞に限定して見られます。しかし、この蛋白質は癌細胞が増えている箇所でも出現します。CEAは癌胎児性蛋白抗原のことで、いわゆる腫瘍マーカーです。大腸癌及び胃癌といった主に消化器癌のスクリーニング検査として広く普及しています。更に癌再発や転移を見つけるのにも役立ち、治療してからの経過観察にも適しています。肝臓や胆道の癌にも適用されますが、進行胃癌のうち三割程度しか発見できません。また、胆管癌では絶対に高値を示すというものではなく、胆のう癌ではCA19-9の方が優れています。膵臓癌のケースでは治療の効果を見るのに役立ちますが、ふるいわけの検査としては適していません。他の癌でも陽性を呈する傾向にありますが、この場合、進行癌であることが多くなっており、臓器特異性は低くなっています。当該検査は早期癌を見つけ出すのには適していません。

検査方法はラジオイムノアッセイサンドウィッチ法とラジオイムノアッセイZ-ゲル法があります。いずれの検査でもタバコや高齢によって少し高値を示します。また、進行癌ほど上昇する傾向にあり、癌は二倍以上の基準値で疑われます。更にこの値の倍を示すケースでは転移癌が視野に入ります。

数値の上昇は炎症性腸疾患や慢性呼吸器疾患で見られる他、糖尿病や慢性肝炎、肝硬変、閉塞性黄疸などでも認められます。しかし基本的に陽性となった場合、胃癌や大腸癌、子宮癌、乳癌、膵癌、甲状腺癌などが疑われます。異常値が中等度以上のものであれば、更に消化器系などの検査を詳細に行います。