血糖変動の大きくなるインスリン治療を行っている際に用いられる指標で、過去のだいたいの血糖値が割り出せます。糖化アルブミンのことをグリコアルブミンと呼んでいて、これはアルブミンとブドウ糖が結びついたものです。アルブミンは血漿蛋白ですが、グリコヘモグロビンと似たような検査で、採血して判定します。赤血球の寿命はおよそ四ヶ月程度ですが、アルブミンは約二十日ぐらいの半減期のため、期間も短くなっています。このため、グリコヘモグロビンと比較すると、より近接する過去の血糖状態を確認できます。血糖コントロールは糖尿病の悪化を防止するだけでなく、これから起こるであろう合併症を未然に防ぐためにも重要な要素です。そのため、より正確に血糖状態を知る必要があると言えます。一般に、グリコヘモグロビンでは二ヶ月前後の血糖状態を確認できますが、当該検査でのそれは二週間前後となります。
異常と判定された場合、糖尿病や低蛋白血漿が疑われます。前者は高値を示しますが、後者は低値を呈します。低蛋白血漿は蛋白質合成能が低くなる肝硬変などで認められます。また、血清蛋白代謝が高まる火傷やネフローゼ症候群といった疾患でも同様です。ただし、当該検査の数値は乳児期で少し低めになっています。大人になるにつれて上昇しますが、通常、少年期で一般成人とほとんど等しくなります。尚、当該検査は一日程度で変動することはなく、血糖値とは異なります。このため、運動や食事といったその日の条件で左右されることはありません。
糖尿病の治療をしている人で高値を示す場合は、血糖コントロールがうまく行っていないことを意味します。このため、なるべく基準値の範囲に収まるよう生活習慣の改善が望まれます。