肺血管/気管支造影

肺血管造影(はいけっかんぞうえい)には気管支動脈造影(きかんしどうみゃくぞうえい)、肺動脈造影(はいどうみゃくぞうえい)、上大静脈造影(じょうだいじょうみゃくぞうえい)の三種類があります。当該検査はX線撮影するために造影剤を肺血管に注入します。気管支動脈造影は経皮的動脈内挿入法或いはセルジンガー法と呼ばれる手段で造影剤を気管支動脈にカテーテルを使って注入します。その際X線撮影を行いますが、診断目的で適用される一方で、治療目的で抗がん剤が注入されることもあります。肺動脈造影は肺動脈へ肘静脈穿刺若しくはセルジンガー法によって造影剤を注入してX線撮影するもので、肺動脈狭窄や肺梗塞、肺塞栓、肺動脈瘻の診断に有用となります。上大静脈造影も造影剤を肘静脈穿刺若しくはセルジンガー法によって上大静脈へ注入してX線撮影を行います。上大静脈の異常を発生させる上大静脈症候群といった疾患を診断します。

気管支造影(きかんしぞうえい)は胸部X線単純撮影でハッキリ確認できない気管支を対象にX線撮影を行うものですが、近年では気管支内視鏡が用いられるため、当該検査はあまり行われません。撮影する際は造影剤を気管支に注入し、これによって質の良い画像が描き出せます。造影剤は口や鼻から入れられますが、その際、X線透視と共に細い管で構成されるゾンデが用いられます。これを気管支まで挿入しますが、同時に噴霧によって麻酔薬が使われます。異常が出た場合、肺気腫や気管支拡張症、気管支腺腫などが推測されるため、更に細胞診や生検を行います。