髄質と皮質で構成される副腎は、腎臓上部に位置する左右一対の臓器です。ステロイドホルモンは広く知られていますが、副腎皮質より分泌されるホルモンはその仲間です。複数の種類があり、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の働きでその分泌が促されます。アルドステロンは、体の中に存在する電解質の均衡を維持する働きがあり、コルチゾールは体内に含まれるブドウ糖の合成に関与しています。採血することで上記ホルモンに発生した分泌異常を知ることが可能です。カテコールアミンは、血清内でドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンといったものがあり、循環器に関わる組織や臓器に働きかけます。これらのホルモンも副腎皮質(ふくじんひしつ)から分泌されます。
副腎皮質ホルモンの分泌が異常に低くなった場合、アジソン病やクッシング症候群、交感神経芽細胞腫、褐色細胞腫などが疑われます。また、当該ホルモンの分泌低下は長期間に渡るステロイド薬の利用によっても生じます。
ACTHと呼ばれる下垂体ホルモンが高値を呈する一方、コルチゾールが低くなっているとアジソン病が考えられます。ACTHのみ高値を示すケースでは下垂体性クッシング症候群が疑われます。アルドステロンが上昇しているケースでは続発性アルドステロン症や副腎に腫瘍が発生している可能性があります。血清カテコールアミンであるドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンがいずれも高値を示している場合、交感神経芽細胞腫や褐色細胞腫が疑われます。尚、コルチゾールの数値が低い一方で、下垂体ホルモンが上昇しているケースではアジソン病が考えられます。コルチゾールのみが高いケースでは、クッシング症候群が疑われます。