簡易膵外分泌機能

負荷があまりなく、外来でも容易に受診できます。有管法は内視鏡といったものを使いますが、簡易膵外分泌機能(かんいすいがいぶんぴつきのう)の検査は尿及び便を採取するため無管法と言われています。これによって膵臓の外分泌の働きを検査しますが、その正確性は有管法に比較すると低くなります。また、酵素であるキモトリプシンは膵液中に存在していますが、これによって分解される物質を体内に取り入れ、それがどの程度分解されるのかを判定するものがPFD試験と呼ばれているものです。このテストで膵臓の機能を確認しますが、妊娠中の女性や急性肝炎、急性膵炎といった疾患を招いている人は除外されます。また効果が認められない疾患では肝硬変や腎不全があり、当該検査を行っても有用ではありません。採取は空腹時である早朝で、その際全ての尿を排泄します。その後、数回に渡ってPDFを飲みます。便中キモトリプシン測定は便を採取するもので、その一部を容器に入れて乾いてしまわないようにし、保存の際には冷蔵庫を用います。いずれの検査でも抗生物質や消化酵素剤を服用している場合、検査数日前からその利用をやめます。

慢性膵炎は、PFD試験と便中キモトリプシン測定の両方で複数回低下を示した場合に疑われます。この場合、当該検査に加えて別の膵臓機能の検査を行い、画像診断や臨床症状を鑑みて、診断の確定に至ります。簡易膵外分泌機能検査は容易に行えるため、診断が確定しても何度か実施され経過観察に利用されます。