関節鏡

ファイバースコープと呼ばれる内視鏡を関節部に入れてそのまま調べる検査を言います。関節鏡による検査は関節造影、MRIといった他の検査でハッキリ確認できなかったケースで適用されます。一般的な画像診断では観察できない僅かな病変に対して有用であり、診断を下せます。特に膝関節や股関節、肩関節などで役立ちます。これは観察可能な範囲が動作させた関節内部の様子にまで及ぶためです。

内視鏡を入れる関節部には生理食塩水が注入されます。このため、関節内腔を拡張させた状態になりますが、検査が終わると生理食塩水は除去されます。また、皮膚を小さく切開して内視鏡を入れますが、その際局所麻酔が施されます。このため、当該検査は手術の一環として処理されます。内視鏡を用いるため、病変箇所が確認された場合、検査から治療に移行してそのまま切除するなどの処置がとられることもあります。検査が終わると切開部分を縫合しますが、範囲が狭いため抜糸も七日程度のものとなります。検査から治療に移行した場合を除けば、要する時間は二時間もかかりません。ただ、終了後は安静を要します。

当該検査は靭帯断裂や半月板損傷、骨折、軟骨損傷、前十字靭帯損傷、後十字靭帯損傷などが対象であり、多くは膝関節に対して実施されます。ただ、他の関節疾患でも診断可能なため、ケースによっては直接治療を施して対処することもあります。