下垂体ホルモン

内分泌の働きを調べる検査であり、下垂体から分泌されるあらゆるホルモンが対象となります。複数存在するこのホルモンの中で、特定の内分泌腺をコントロールする働きを有するホルモンがあります。下垂体とその特定の内分泌腺には相互関係があり、内分泌腺の働きに障害が生じると、もともと下垂体に病気がなかったにも関わらず、下垂体に異常が発生して、ホルモンの分泌量に影響を与えてしまうことがあります。

下垂体ホルモンには、成長ホルモン(GH)やプロラクチン(PRL)、抗利尿ホルモン(ADH)などがあります。他にも沢山存在しているため、異常値から疑われる疾患も色々あります。また測定法がいくつかあるため、基準値もそれらにあわせて違ってきます。

GHは成長に必要なホルモンであるため、子供の成長期には沢山分泌されます。大人になるにつれげ減少していきますが、成長過程で不十分だと下垂体性小人症を招く恐れがあります。反対に量が多くなってしまうと巨人症が懸念されます。プロラクチンは乳の分泌を促すホルモンです。過剰になると下垂体腫瘍や不妊症、無月経、視床下部の病気、異所性プロラクチン産性腫瘍などが疑われます。ただし、妊娠によって上昇を示しますが、これは異常ではありません。その他で上昇を呈するものでは抗鬱薬や睡眠薬の利用などがあげられます。抗利尿ホルモンは血漿浸透圧をコントロールしたり、血流量を保つ働きがあります。このホルモンが減少すると多尿から尿崩症を生じている可能性があります。反対に上昇を示すと、重篤な脱水が懸念されます。