腎臓の組織を採取するため、局所麻酔を施して皮膚から直接穿刺する検査であり、超音波で確認しながら腎臓の位置を特定します。得られた組織は電子顕微鏡や光学顕微鏡を用いて詳細に調べられます。経皮的腎生検(けいひてきじんせいけん)では対象となる腎臓は左右どちらか一つとなります。
通常、数日から一週間程度の入院措置となりますが、検査に要する時間そのものは数十分です。痛みは局所麻酔が施されるため、あまり感じることはありません。ただ、やや圧迫感を背中に感じたり、衝撃を生じたりします。腎臓から穿刺針を取ってからしばらくは、出血が見られます。これを抑制する必要があり、圧迫止血が強めに実施されます。また、絶対安静を要し、その際血尿が認められれば輸液も併せて実施されます。これは血塊が穿刺した箇所に発生するのを予防する意図があります。検査から一日経過したら、その後の腎臓状態を見るため、超音波検査が行われます。そして、血も止まって血塊も穿刺した場所に認められなければ、その後は安静を必要とせず通常に戻ります。
当該検査は診断が確定しているものに対して行われるため、異常所見はありません。対象となる疾患は腎臓の病気であり、糖尿病性腎症や腎不全、ネフローゼ症候群、急性及び慢性腎炎などとなります。有効とされる治療法を決定させるのに有用であり、また病状の進行や回復の程度が確認できます。これは毛細血管や糸球体、内皮細胞などに生じる変化を経過観察できるためで、更に腎組織をそのまま顕微鏡を用いて観察します。