塗沫検査(とまつけんさ)、培養検査(ばいようけんさ)、ツベルクリン反応があり、いずれも細菌の存在を確認するものです。塗沫検査は、チールネールゼン染色という染色方法で、硝子板に採取した痰を塗沫して顕微鏡で調べるものです。培養検査は、およそ一ヶ月間、特別な培地で痰を培養発育させてから調べるものです。塗沫検査のみで菌を見つけられなかったケースで適用されます。抗酸菌は、培地で成育した菌を指しています。ナイアシンテストは非定型抗酸菌が発育する結核菌(けっかくきん)に適用されるもので、これによって見分けられます。ツベルクリン反応は、前腕にPPDと言われる精製蛋白質を注射し、二日後肌に赤斑が特定の範囲をもって出現するかどうかを調べるものです。PPDは、結核菌の培養液から取り出した精製蛋白質を言います。
検査には痰が必要なため、これを採取して乾燥させないようにします。塗沫検査と培養検査を行って結核菌が痰に認められなければ異常はなく陰性(-)となります。ツベルクリン反応では、赤斑の出現が見られなければ陰性(-)で異常となります。この場合、BCGと言われる結核の予防注射をしなければなりません。一方、赤斑が特定の範囲で認められれば正常であり、陽性(+)となります。
結核菌が塗沫検査と培養検査によって痰にその存在が認められた場合、結核の診断が下されます。ツベルクリン反応では強陽性(++)以上で結核の恐れがあります。このため、診断を確定するため更に血液検査や塗沫検査、培養検査、胸部X線検査などいくつかの方法によって調べます。