血中インスリン活性/IRI

血糖値の上昇を招いている原因がハッキリ分からない場合に適用されます。血糖検査は糖尿病で行われるものですが、血糖値の上昇を招く疾患はこれ以外にも肝臓病や甲状腺機能亢進症などがあります。また、副腎皮質ホルモン薬を投与していても高値を示します。

血中インスリン活性(IRI)の検査は、糖尿病予備軍である境界型を早期に見つけるのにも有用です。ブドウ糖負荷試験は、血糖値を測定するのにブドウ糖を与えるものですが、これと組み合わせて血中インスリン濃度が調べられます。糖尿病患者の治療の方向性を決める場合や糖尿病かどうかその見極めが難しい人に対する判定目的で実施されます。

血液の中を流れるブドウ糖は、生命維持の根本であり、細胞や組織のエネルギーとなります。血糖は健康であれば消費される量と供給量が一定範囲に収まっています。需要と供給のバランスを調整しているのがインスリンと呼ばれるホルモンで、この物質は膵臓のランゲルハンス島に位置するβ細胞より放出されています。インスリン抵抗性が上昇したり、分泌量が不十分になったりすると効率よく糖分が消費されにくくなり血糖値も高値を示すようになります。

重点が置かれるのはブドウ糖液が体内に入ってから三十分後となります。これはブドウ糖液が体内に入る前のインスリン濃度と、三十分後のその濃度とを比較するのが目的で、基準値を逸脱するとインスリン活性低下が疑われます。尚、検査前に下痢や熱の上昇を認める場合や薬の服用中、別の疾患がある場合などは前もって申し出ておきます。