骨髄穿刺

血球の検査を行った際、その一部には骨髄穿刺(こつずいせんし)を要するものがあります。血小板や赤血球、白血球などのほとんどは骨髄にて生成されており、この組織には造血の働きがあります。微量の液体を骨髄内から採取する検査であり、その際局所麻酔を施してから針を腸骨若しくは胸骨に差し込みます。当該検査は血液専門の医者によって実施される傾向があり、大抵大病院で対処されます。また、初診の際にこういった専門医を紹介されて行われることもあります。検査そのものは安全性が高く、針を骨髄に刺すといっても局所麻酔が施されるため痛みは生じません。極力不安を取り除いて、医師の説明を十分に聞き、検査を受けることが薦められます。前日或いは当日の食事制限はありませんが、入院を要するケースもあります。しかし、多くは外来で受けることが可能です。

判定は基準値と血球の基礎となる母細胞の割合から導き出され、異常が出た場合、再生不良性貧血や溶血性貧血、骨髄腫、リンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、多血症、骨髄異形成症候群、白血病などが疑われます。それぞれの血球系統に色々な形態異常を示す骨髄異形成症候群は、特に高齢者において認められます。骨髄腫やリンパ腫、白血病などでは異常細胞が多く発生します。骨髄において母細胞が増える場合は血球が損壊されて減少する疾患であり、特発性血小板減少性紫斑病や溶血性貧血などがあります。赤血球における母細胞が増加するものでは多血症が該当します。顕著な骨髄過形成を呈する慢性骨髄性白血病では、白血球の母細胞及び巨核球数が増え、造血亢進由来の血液疾患の中でも特徴的です。造血の働きを落とす疾患では再生不良性貧血があります。

異常と判定された場合、ケースによって遺伝子診断や染色体分析などが実施されます。基本的には診断を確実なものにするため病理組織学的検査が実施されることになります。