クレアチンキナーゼ/CK

エネルギー代謝に関わる酵素の一つであり、筋肉細胞である心筋及び骨格筋に対して大切な役割を担っています。存在箇所はそのほとんどが筋肉内であり、肝臓及び血球内にはほぼ見られません。このため、当該検査は筋肉に関わる病気を調べるのに有効であり、クレアチンキナーゼ(CK)若しくはクレアチンホスホキナーゼ(CPK)と言います。急性心筋梗塞を見つけるのに役立ち、特に進行性筋ジストロフィーでは高値を示す傾向にあります。このことから筋肉障害がどのくらいのものかを調べるのに有用です。

基準値は男性の方が女性より高くなっていますが、これはほとんどのCKが骨格筋に含有されているためです。つまり、男性のほうが筋肉量が多いことに由来します。女性では出産前後や昼間に上昇傾向を示します。ただ、女性、男性問わず、加齢に伴って低くなっていく傾向にあります。その他、CK値の増加傾向を示すものでは、鎮静剤の利用やアルコール常飲、極端な運動後、筋肉注射、生検、手術、検査で血管などに注射したケース、頭部打撲、心臓穿刺などがあります。異常と判定された場合、低値では高ビリルビン血症、結合織疾患、甲状腺機能亢進症などが疑われます。また、化学療法やステロイド治療を行っていても低値を示します。高値では筋ジストロフィーや多発性筋炎をはじめ、甲状腺機能低下症や心筋梗塞、脳梗塞、筋萎縮症、外傷、狭心症、皮膚筋炎などが考えられます。

分子構造が違う酵素群をアイソザイムと言いますが、当該検査で異常値が示された場合、このアイソザイムで更に詳細な検査が行われます。どこの臓器に異常が発生しているのかを検査するには、このアイソザイムを調べることが有用です。また、診断を確定させるため、生検を行って筋肉組織片を調べたり、筋電図検査なども併せて実施されます。