網状赤血球数

染色から核が抜けた際にそれが網状を形成するため、網状赤血球数(もうじょうけっきゅうすう)と呼ばれるようになった経緯があります。また、赤血球が作られる一つ前の未完成な赤血球のことを網状赤血球と言います。当該検査では、この血球が赤血球内にどのぐらい含まれているかを調べるもので、これによって骨髄の状態を確認します。骨髄は血液を生成する場所であり、この血球が多いほど、造血の調子が良いことを意味します。反対に少ないとその機能が落ちていることを示します。検査では前日や当日の食事制限はなく、採血も通常のケースで実施されます。造血の働きを落とすといった副作用を生じる、放射線療法や抗がん剤投与の際に有用であり、問題追求するのに手がかりを得られます。また、血液生成の根本が関与している疾患を調べるのに必要な検査でもあります。

異常値が出た場合、鉄欠乏性貧血や急性白血病、溶血性貧血、再生不良性貧血、悪性貧血などが疑われます。一般に高値では溶血性貧血の他、悪性貧血や鉄欠乏性貧血が推測されます。低値の場合は、急性白血病や再生不良性貧血、そして骨髄における造血機能低下などが考えられます。通常、成人より幼児の方が、多量の網状赤血球を有します。

注意を要するのは高値より低値で、異常が出た場合は繰り返し検査が行われ、専門医の治療を受けます。また貧血が認められても、測定値が上昇している方が治癒しやすいとも考えられています。