皮膚に液晶プレートがそのまま触れる接触型と肌に直接触れない非接触型の機械のいずれかによって検査を行います。一般には、人間の体に悪影響を及ぼさない非接触型の機械が用いられます。サーモグラフィーは、人間の体表の温度分布を画像化したもので、この機械を用いて発生している病変を確認するものです。これは赤外線が人体の皮膚表層から放たれているためで、当該検査ではこれを測定します。非接触型の機械を用いた場合、サーモカメラと呼ばれているレンズを使って、人間の体から出ている赤外線をキャッチします。これを電気信号に転換するため、フィルター検出器を経由させ、画像に変えます。
検査の際は、専用の衣服を着るか、問題となる箇所を露出させます。その際、対象となる箇所の肌表面に何らかの刺激を加えると検査結果を歪めることもあるため、慎重を要します。非接触型の場合、血管閉塞症や腫瘍、炎症といったあらゆる疾患を診断しますが、検査に要する時間は数分程度で、副作用などの心配はありません。画像として温度を抽出した場合、青紫色をしている部分の温度は低くなっています。これに対し、赤くなっているところは温度が高くなっています。一方、接触型の機械を使っている場合、黒褐色をしている部分で温度が下がっているのを示します。青紫になっているところが表面体温の上昇を意味します。
沢山の血管が集中してくる乳癌のしこりの部分では皮膚表面温度が高くなりますが、サーモグラフィーにもその変化が反映されます。これは、異常が病変部の血流に発生するためで、延いては人間の体の皮膚の表面温度にも影響を及ぼします。皮膚の表面温度は血流の影響を受けやすく、それが画像に現れます。異常が認められた場合、他にも体温異常や自律神経障害、慢性疼痛、甲状腺に生じた腫瘍、乳房に発生した腫瘍、皮下組織における異常で代謝異常に起因するもの、末梢神経由来の冷え、血行障害である動脈瘤や動脈狭窄といった病状が考えられます。