化学的に血液や尿を分析したり、装置を用いた検査をすることで、多くの疾患は診断を下せますが、更に詳細に調べて良性なのか悪性なのかを判定するには、組織・細胞検査を要します。この検査では、病変箇所の細胞や組織片を採取して、異常のない組織と比較します。生検(せいけん)はバイオプシーとも呼ばれおり、発生した腫瘍や潰瘍の組織片を採取して顕微鏡で調べるもので組織検査と言います。この場合、皮膚や筋肉、胃腸、腎臓、肝臓、心臓、子宮などを対象に行われます。生検鉗子(せいけんかんし)を用いて組織片を採取するため、細い管で構成される内視鏡を用いるケースでは肺や胃が対象となります。肝臓では金属で構成される腹腔鏡(ふくくうきょう)を用いて組織片を取り出します。細胞診(さいぼうしん)は、各臓器の組織だけでなく、尿や胃液、粘膜、喀痰、そして腹水や胸水などに混入した細胞も対象となります。いずれの検査も、発生した腫瘍及び潰瘍が良性なのか、悪性なのかを判定する手がかりとなります。尚、生検では取り出した組織を染色して顕微鏡で観察するもので、良性か悪性かを判定します。一方、細胞疹ではⅠからⅤの五段階で判定されます。パパニコロウ分類と呼ばれているもので、一と二は陰性で正常とされますが、三になると判定困難な疑陽性となるため、再検査を要します。四は癌が疑われ、五は顕著な癌と判定されます。
異常値が出た場合、良性潰瘍、悪性潰瘍、良性腫瘍、悪性腫瘍などが考えられます。異常が発見されたら、すぐに摘出手術や抗がん剤を用いた治療が行われます。当該検査は、早期癌も見つけることが可能であり、初期に治療を行うことができます。癌は、早期発見からすぐに治療すれば、その治癒率も非常に高くなっている病気です。そのため、絶対に死亡する疾患ではなくなっています。