赤血球数

毎日およそ四万個が肝臓及び脾臓で破壊されながら生成されており、体内の組織へ酸素を運搬する一方、不要になった二酸化炭素(炭酸ガス)を運び出す役割を担っているのが赤血球内部の血色素であるヘモグロビンです。骨髄で生成された赤血球は血中に入り込みますが、血液の大半を形成しています。この物質が体内で減少すると、酸素の供給も落ちるため、それぞれの組織が酸素欠乏を招きます。そうなると貧血を起こしたり、酷いケースでは生命を脅かすこともあります。一方、この物質が過剰に増加すると血管が詰まってしまうこともあります。赤血球数(せっけっきゅうすう)若しくはRBCはもともと貧血を調べるためにおこなわれますが、全身状態を確認する上で役立つため、血液一般検査に属しています。また、当該検査は1マイクロリットル(μl)あたりの赤血球数を調べるものです。採取する際は、静脈や指先を対象とし、それをハイエム液で希釈し、顕微鏡で数えます。

基準値は女性でおよそ360万/μlから520万/μl、男性でおよそ400万/μlから570万/μlとなっています。幼児での赤血球数は一般成人男性のそれより多くなっていますが、年齢を重ねるごとに減少し、思春期にいたる頃には一般成人と同等になる傾向にあります。男性より女性の方が数値も低くなっていますが、その原因はハッキリ解明されていません。また、妊娠の際、更に減少する傾向にあります。一日の周期や季節などによっても変化を示し、冬や夜に減少する一方で、夏や朝に増加する傾向があります。また、タバコを吸ったり、運動を行った際にも増加します。

異常と判断された場合、多血症や貧血などが疑われます。貧血は更に鉄欠乏性貧血、悪性貧血、再生不良性貧血などに分類され、このうち多く見られるのは低色素性小球性貧血である鉄欠乏性貧血です。この場合、鉄不足が原因であるため鉄分を摂取するようにします。一方、再生不良性貧血や悪性貧血、溶血性貧血、多血症などでは特殊な治療を実施することになります。