先天性アミノ酸/糖代謝異常

血液検査から、生まれつきの糖とアミノ酸の代謝異常を調べる検査で、先天性アミノ酸/糖代謝異常のことです。フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、ガラクトース血症に関しては新生児マススクリーニング検査から早期に見つけることが出来ます。フェニルケトン尿症は、無治療だとメラニン色素の合成が阻害されたり、体の発育や知能の発達に遅滞をきたし、ひいては命を脅かす状況になっていまします。アミノ酸であるフェニルアラニンがチロジンに転換されないために溜まってしまう代謝異常を招きます。メープルシロップ尿症は、甘い臭気が汗や尿、涙などに認められるところからつけられた名称です。この疾患はアミノ酸であるバリンやイソロイシン、ロイシンなどに対する生まれついての代謝異常を生じるものです。そのため、いずれのアミノ酸も血中において減少します。無治療だと知能障害を招いたり、ケトアシドーシスを生じたりします。ホモシスチン尿症も無治療だと知能障害を出現させます。また異常が目に発生することもあります。ホモシスチンとメチオニンが尿中から溢れ出るほど、血中濃度が上昇します。これは酵素異常によるものです。ガラクトース血症においても無治療だと知能障害を引き起こします。また肝機能障害も認めます。ガラクトースは乳糖に含有されていますが、これに代謝異常を招きます。

検査の際には採血を要し、針を踵に刺してろ紙に付着させます。採取する血液量も微量であり、特に問題になることはありません。異常が出た場合、引き続いて詳細な検査が行われます。生まれついての糖やアミノ酸の代謝異常と診断が確定した場合、食事療法が行われます。