心機図/心音図

触診のみでは確認しづらい心臓の拍動を分析する検査を心機図(しんきず)と言います。当該検査で総合的に異常を調べることが可能です。心臓の拍動は胸壁へ触診によって接触した際に感じ取ることができますが、この脈拍は頚動脈に触れても確認できます。これを心音図及び心電図と共に脈波として電気的に抽出したものが心機図となります。検査をする際、波形を捉えるため、センサーを頚動脈若しくは胸壁に取り付けます。これによって脈波が感知され、波形が記録されます。また検査中は安静にしなければなりません。当該検査は左心室の機能を調べるのに有用ですが、仮に障害が認められてもそれだけで確定診断を下せません。その場合、更に詳細な検査を要し、心臓カテーテルや心エコーの検査などが併せて行われます。

心音図(しんおんず)は、聴診器よりも更に詳細な分析が可能です。これは心臓が拍動する心音を電気信号に転換して記録するためで、単に聴診器をあてて確認するだけの検査とは異なります。記録する際は、振動波形図を記録するため、胸に高性能マイクを装着します。これによって心音を記録しますが、検査中は雑音がマイクへ感知されないように慎重を要します。記録する時間は数分ですが、検査中は安静を要します。近年、心音図検査はほとんど実施されなくなっていますが、これは心エコーの方がより正確でしかも容易に行うことができるためです。当該検査は心不全、先天性疾患、心臓弁膜症などの診断に有用とされていますが、基本的に確定診断を下せるほどの正確性はないとされています。