心臓超音波

コンピュータを用いて反射波であるエコーを処理することによって画像化する検査です。超音波は耳で聞き取れないほどの高周波を用い、これを心臓に発信します。また、超音波は直進性が非常に強く、一定の向きに放射される性質があります。これが臓器に当たるとひずみがエコーに出現します。組織の質が異なっていると、それが色の違いとして画像に映し出されます。心臓の動作が直接画像として現われ、血流や収縮及び拡張などの動きも観察できます。このため、心臓超音波検査(しんぞうちょうおんぱけんさ)は、血流異常のほか、心臓の形状及びその動きに異常がある場合に有用とされます。当該検査は子供や妊婦などでも行うことができ、X線とは違って被爆する懸念もありません。

心電図を検査の際にとりますが、絶食などの処置は要しません。ただ、鎮静剤を幼児に用いることもありますが、これは幼児が動いて検査を行いにくいためです。その他、超音波の通過を容易にするため、ゼリーを前胸部に塗布します。

肥大心筋症や心房中隔欠損症、心肥大、心臓弁膜症などは画像から心臓形態の異常が認められた場合に疑われます。心不全や心筋症、急性心筋梗塞などは心臓の動作に問題があるケースで考えられます。当該検査は心臓病のほとんどが対象となって診断や治療方針の決定につながりますが、異常が発作の際にのみ限定されて出現する発作性不整脈や狭心症といった疾患に対しては問題が残ります。

異常と判断されたら、循環器科にて治療を行います。それでも詳細な検査を要するケースでは、心嚢穿刺や心臓カテーテル検査といったものが実施されます。尚、心臓超音波検査は単に心エコーとも呼ばれています。